ショートストーリー「死んだことにする殺人事件」をカクヨムに投稿しました

 なにをやっているのでしょうか。おカネにならない小説を時間と手間をかけて、また書いてしまいました。こうして貧乏暇なしを実行し、どんどん貧乏になってゆくのでしょう。

 今回はプロジェクションマッピングをネタにしました。最近思いついたネタで、たしか東大と東工大の共同研究の話を目にしてネタにしようと思ったのです。
 液体や人体など動くものにも投影できる技術ですね。新しく開発されたそうです。もうなんでもありかって感じです。といっても、プロジェクションマッピングはあまり一般に認知されていないかもしれません。
 「なんでもない殺人事件」を下敷きにすることを決めたときに、プロジェクションマッピングのネタを使ってしまえと思いついたのでした。しょぼいネタですからね、ちょうどよさそうでした。
 「なんでもない殺人事件」では、九乃の妄想シーンがはいります。今回は、そろそろやっていいかなって感じで、妄想も、小説内小説もなし、妄想と見せかけて全部現実というのをやりました。ずっとショートストーリーを読んできてくれた人にしか通じないトリックですね。トリック?まあ、いいじゃないですか。

 書きはじめるまえのメモを公開します。メモとちがうところがけっこうあります。いいんです。それで。小説が書けたのですから。

プロジェクションマッピングで、撃たれて血が流れるって感じにする。
実際は打たれてないし、血も出てない。
どこかに縛り付けられてる。
バッテンの柱に縛り付けて、校舎の屋上から吊るされている。会長かな。
ライトを当てられている。プロジェクターだけど。
九乃だけダマすとか。みんな共犯者。
ナイフを取り出して、少しくらい血を流さないと気が収まらない。
いや、あっさり見抜いたことにするか。

小説と見せかけて現実。今回小説内小説はなし。
「九乃ぉ、小説書いてるか?」
で、依頼されていない。事件でそれどころじゃありません。
みんないつでも書いてるんだぜ?
では、今回はパスで。
ここは会長じゃなくて、二宮にやらせるかな。

会長を置いて、学食へみんなを集める。
推理を話す。
カレーを食しながら。
会長がやってきて、みんなひどいよな、吊るしっぱなしなんだもん。
こころある学生が助けてくれた。
カレーを注文したら、おしまい。九乃が最後。
九乃が笑顔を見せる。
はじめて笑顔を見た。カレーより価値が高い。
なにいってるんですか。わたくしはいつでも笑顔です。
会長がつまらないことばかりするからですよ。

 今回は3800文字くらい。短くまとまりました。プロローグ的なものでふくらませてもよかったのですけれど、短いことはよいことだと思い、あんな軽い感じになりました。
 あとふたつ、公開できる状態の小説があるのですけれど、あまりいっぺんに公開しても読んでもらえそうでないから、一日おきくらいで公開する予定です。
 ごきげんよう

「やまないチャイム、ミッドナイト」をカクヨムに投稿しました

 今回も小説の成り立ちをご説明いたします。

 

 「處女作」の続編ですね。ホラーっぽいものを書こう。これは、「九乃を解剖する」というエントリーですね。九乃の持ち味が出るタイプの小説なのかな、という。

 ホラーといっても、むづかしいのです。九乃は科学の人ですから、科学で人は怖がらなそうですね。科学にフィクションを混ぜたものはホラーになりますけれど。ちなみに、SFとはいいませんね、あれ。なぜでしょう。未来の話でないとSFにならないのですかね。

 ホラーになりそうなネタを、ネタ・アーカイブから掘りました。2017年9月に思いついたネタのようです。「学校のチャイムが鳴りやまない」というテキストファイルがありました。

 ネタがあれば、あとは続編風に加工するだけで、簡単便利。期待したのですけれど、中身は「学校のチャイムが鳴りやまない話」としか書いてありません。使えないやつだな、こいつは。2017年の九乃ですけれど。

 どうにか小説にすることを考えましょう。

 まず、「處女作」の反省から。

 小説内小説パート、現実パート、九乃パートとみっつに分けられます。

 気づいたのですけれど、小説内小説はホラーですけれど、超自然なことはなにもないのですね。逆に、現実パートは、黒い空間が出てくるし、中は夜で、出ると夕方にもどるとか、超自然。本来逆じゃないかと。

 方針が決まりました。小説内小説は、文章をこってりホラー風で、超自然はなし。現実は、通常の九乃の文章で、超自然。

 となると、チャイムがやまないのは現実ですね。超自然なしで夜中にチャイムを鳴らすのって、考えるのが大変そうです。

 まず、小説内小説から書きだしました。学校へ忍び込むのは共通に決めました。できるだけホラーっぽくなるように、学校に侵入させると、美奈子が勝手な行動をはじめます。ええ、先のことは何も決めていない、職員室へ行けばいいんだろとしか考えていませんから、いっちゃえいっちゃえ。美奈子まかせで保健室へ。

 保健室でもホラーっぽく。私がベッドに引き込まれます。

 さて、つぎですよ。どうしますかね。ベッドに引き込まれても、超自然はなしですから、美奈子がいるにすぎません。うん、これは百合展開。保健室のシーンが書けます。

 職員室では、ちょっぴり妄想をいれてホラーっぽく。最後のオチは、前の文まで書いて、自然に出てきました。取って付けたようですけれど、九乃の中では自然な流れなのですね。處女作を読んでいないと不条理みたいですけれど、それはそれでよし。

 現実パートへ書き進みます。この時点で、学校が生徒を呼び寄せるためにチャイムを鳴らしているというアイデアが思いついていました。ひとりでは、ひとり殺されて終わりになってしまいます。保険のためにふたりにして、ひとり死んでも話が進むように考えました。

 「處女作」の竹中を再登場させようと考えました。小説内小説も、裏設定真知と美奈子を使っていますからね、自然です。相手の子はお亡くなりになっていますから、新しく新井さんを連れてきました。はい、その場で作りました。

 学校に食べられてもらおうと意識して書きます。はじめから食べられたら拍子抜けです。理科室は難なく抜けました。ケガしましたけれど。

 階段に食べられるシーン。ここで食べてしまおうか、一瞬考えましたけれど、「處女作」のように、竹中に殺してもらおうかと思い、助けました。読者に想像させるのがむづかしいシーンですよね。階段がめくれると書いてあってもどういうことかわからない気がします。勝手に想像してくれと、読者におんぶしてしまいました。

 職員室。小説内小説で異次元空間的なものは書きましたから、こっちでも書いていたのですけれど、削りました。二回も同じようなの読みたくないものですよね。

 これまた、職員室がちぢんできて食べられるって、書きにくいのですけれど、読者まかせ、第二弾。

 九乃パートはなんでもいいので、すらっと書いて、並べ替えをして、ひと通り書き終わりました。

 小説内小説は文章の感じをかえますから、かなり直しました。ホラー風にするには、アイテムがなくてむづかしかった。きっと読むと物足りないでしょう。文字数が6000文字ありましたから、削りながらそれっぽく頑張りました。

 

 肩こりから頭痛が襲ってきて、苦しい中書きました。面白くなっているとよいのですけれど。

「たったひとりの決戦」をカクヨムに投稿しました

「たったひとりの決戦」は、アイデアが思いつかなくて苦労しました。

 他のショートストーリーは、一日で考えて書き、一日で見直しというテンポで書いてきました。

 けれど、これ、一週間考えつづけました。バレンタインチョコを渡すパートですね。

 苦労話、ちょっと聞いてくださいよ。

前提

 九乃がバレンタイン前からチョコをもってきてはロッカーに置いておき、昼休みに食べるということ。これは根岸がチョコを渡す作戦に利用したいですね。

 昼休みに食べますから、たとえば九乃のチョコに紛れ込ませておくなんてことを考えると、昼休みまでに別の場所に移動しないといけません。

イデア

 チョコを鴨くんに知られずに渡したいのですね。なにかに偽装するというアイデアが思いつきます。部活の道具とか。卓球のラケットなら、チョコで形をつくってすり替えるのに大きさ的によさそうとか思います。

 覆いをかぶせておいて、鴨くんが知らずに家にもちかえって、覆いに気づき、はずしてチョコを見つけるというのもありだと思いました。偽装の延長上ですね、発想としては。

苦しみ

 偽装も覆いも、なにに偽装したり、なにで覆ったりすればよいか、決め手に欠けます。九乃のチョコを利用することと結びつけなければなりません。ここからですよ、考えつづけたのは。

お風呂

 日本人は湯船につかってお風呂に入ります。これは日本人の編み出した最高の習慣です。湯につかって考えごとをします。

 6日くらいはダメだったのですけれど、7日目くらいにやってきました。ひらめきが。

 九乃のチョコは九乃が利用する。根岸は弓を使ってチョコを届ける。

 このアイデアですね。九乃が毎日チョコをもってきていたのを、根岸は作戦であったと思うのですね。

 裏設定としては、ロッカーをまちがって、自分のロッカーにしまったつもりなのですね。ですから、鴨くんが登校してきて、そのあとは九乃のロッカーにチョコが移動しているわけですけれど、そんなことは根岸のあずかり知らないところです。

 弓矢でもってチョコを届けるというアイデア、具体化するにはどこからどこへ矢を放つか、矢をどうやって利用するか、考えることがまだあります。

 2月ですから、寒いですね、教室の窓を開けていることはないでしょう。なにか設定をたして無理やり窓を開けさせてもよいかもしれませんけれど、そんなの思いつきませんし、教室の壁かなにかに矢が刺さったら気づきます。そのあとからチョコがやってきたら、誰からかバレバレですね。

 うさぎ小屋に鴨くんがいることにしました。とってつけましたね。しかたない。

 矢のお尻に紐を括りつけておいて、弓で射るという映像、どこかで見たような気がしたのですけれど、検索しても見つからない。どうやって矢に括りつけるのか、射るときなにか工夫があるのか、知りたかったのですけれど。

 釣り糸を結び付けていたことにしてでっち上げました。コメディであり、ショートストーリーでもありますからね。

 あとは小細工を弄してうさぎ小屋へチョコを運び、鴨くんが気づいて、チョコが手元へ届くと。

最悪の場合

 アイデアが思いつかなければ、単に鴨くんのロッカーに置いておくことにしたかもしれません。さらっと流してしまうのですね。そうすると、ひとり相撲感がかなりうすれますけれど。

 そう、この小説は、勝手に九乃をライバル視してひとり相撲を演じる女の子の物語なのです。九乃は外からのぞいています。うまくいくように手を貸したりしますけれど。

苦労と面白さは比例しない

 アイデアをひねりだすのに苦労したからと言って、面白くなるとは限りませんけれど、アイデアが出てこなかった場合よりはかなり面白いことになったはずです。わたくしのあずかり知らぬところです。面白く読んでくだされば、面白くなるでしょう。

 

 今回は苦労話でした。ごきげんよう

「『殺し屋、ゾンビを追う』」をカクヨムに投稿しました

 今回も、九乃の頭の中をのぞいてみましょう。

 連作短編2作目「『殺し屋、キャリアチェンジ』」を下敷きにしようという方向で考えはじめました。
 アイデアは、死体消失。
 書きはじめるまえのプロット的なものはこんな風に書いていました。

殺し。
被害者を放置する。
どこで殺したんだろ。
なんで放置しなくちゃいけないんだろ。
バイク盗まれて追いかけていったとか?
被害者がいなくなる。
ゾンビ?
ゾンビとなると、ハロウィンか?
近くに人がいないと、ゾンビが歩いていた目撃談が書けない。
けっこう土手も人が歩いているのかな。車は通らないけれど。
犯人が被害者を放置しているあいだに通りかかった人が救急車を呼んで連れてっちゃった。
殺し屋塔乃と女子大生加藤の対決再び?
加藤はロードスターで通りかかるのかな。
渋滞するからって、人が通らない土手の道を使って、駅から離れた自宅近くへ抜けるつもり。
土手のところに倒れているのか。

 上から下に向かって思いついたことを書いています。思考の流れがわかりますね。
 自問自答しています。アイデアを出す時に有効な方法でしょう。
 書きながら考えたことは、放置したあともう一度死体のところにもどる理由ですね。
 ああ、そんなことも必要だったと気づいて、USBメモリ回収するのを忘れていたことにしました。とってつけましたね。
 終わりの方で殺し屋がメモリを見つけますけれど。加藤が被害者をひっくり返して仰向けにした時に落ちたことにしました。わざとらしく書くことはしませんけれど。
 翌朝、殺し屋が現場にもどりますけれど、おかしいですね。
 警察の捜査のあとに遺留物があるというのが。
 短編小説だから勘弁してもらいたい。
 長編ではこんないい加減なことは書けないでしょうね。

 小説内小説のあと、今回は九乃ではなく二宮君が小説を書いたことにしています。
九乃を出さずに九乃の存在をアピールしてみました。
 「リ・チェンジ」では、小説内小説を書いたのが九乃という設定ですけれど、おもてにはあらわれていません。無理に出さなくてよいのですけれど。その流れみたいなものです。
 コーラ好きの院生も登場しました。
 「キャリアチェンジ」でコーラの瓶を出しましたけれど、あれも綾藤さんが犯人なのでしょうね。
 現実パートは、アイデアを必要としませんから、簡単に書けました。

 

 つぎは「『なんでもない殺人事件』」を下敷きに書くことになるのでしょうか。書かないとすわりが悪いかもしれません。

カクヨムについて九乃の考え方

きっかけ

 賞に応募して落選だった小説。眠らせていても仕方ないから、ネットで公開してみようかと考え、カクヨムのアカウントを作成しました。
 けれど、カクヨムは閉鎖的なようですね。スマホアプリをつくれないようです。公式アプリは、わたくしのスマホでは対応しないといってインストールできません。スマホで小説を読むのってどうだろうな、公式アプリがあるカクヨムがいいかなと思ってアカウントを作ったのですから、期待外れ。放置しました。
 一田和樹が自主企画を開催していて、応募したらレビューしてもらえるという情報をツイッターでキャッチ。プロに読んでもらえるなんて素晴らしいと喜び勇んで、自主企画への応募に向け始動しました。レビューしてもらうってどんなものだろうと思っていたものですから、このときは、とりあえずひとつ書いてみようとしただけで、いくつも小説を書く予定はありません。

ハマった

 ええ、一作書いてレビューをもらいました。わたくしの文章は読みにくいのではないかと心配していましたから、テンポがよいと評価されひと安心。文章が読みにくかったらテンポわるくなりますよね。
 所期の目的を達しました。九乃は休眠中で、小説を書くのをお休みしていましたから、ふたたびお休みにはいるところでした。
 でもダメですね。ひとつ書くと。すぐつぎのアイデアが湧いてしまいます。アイデアがあったら書かないともったいないという貧乏性なものですから、どんどん書くことになり、十作以上書いているようです。
 短い小説だからですね。ネタはつまらなくていいし、ひとつに全部納めるのは無理という。

カクヨムについて書く

 今回はカクヨムについてです。わたくしがどういう態度でカクヨムにのぞむかを書きます。もちろん、いろいろな考えがありますから、わたくしの態度が正解でほかは間違っているということはありません。他人がどう考えているか知りたいという人の参考までに。

魅力的なタイトル

 本文を読む前に、その小説を読むか決めないといけないのですね。アクセスすればPVにカウントされます。決め手のひとつはタイトルです。

 むつかしいのです、タイトルをつけることが。納得のタイトルということはありません。思いつかないから、このくらいでいいかというタイトルでガマンしています。タイトルをつけるのがうまくなりたい。カクヨムで訓練します。

キャッチコピー、紹介文

 カクヨムでは、キャッチコピーと紹介文を作成できるのですね。本で言ったら帯に書いてあるコピーのようなものでしょうか。キャッチコピー、大きい文字で、タイトルより全然目立ちます。
 魅力的なキャッチコピーをつける練習みたいなものですね、小説を投稿してPVをチェックするというのは。

レビューしてもらうとちがう

 レビューしてもらっていない小説がひとつあります。文字数が規定より多かったのですね。PVは1です。わたくしの小説のPVはほぼレビューのおかげだと評価できます。キャッチコピーとか説明文とか、タイトルとか関係ありません。ダメじゃん。

やってみて、考え方が決まった

 小説の内容は、短編用のつまらないネタでもあるし、連作のようになりましたし、長編を書く場合とかなりちがいます。テクニックの部分ですね。長編を書くときでも同じなのは。
 カクヨムでは、書いた小説の内容がどうか、なにも評価できないと割り切りました。PVやら星の数やらは小説と関係ない。
 では、なにと関係あるのでしょう。タイトル、キャッチコピー、説明文です。それから、ほかの人の小説に星をつけたり、レビューをしたりといったカクヨム内の活動であり、ツイッターとブログでの活動です。つまりマーケティング活動です。その成果指標がPVや星であると考えることにしました。

つまらなくたってよい、読んでくれなくてよい

 PVを指標として、数字を伸ばそうとしたら、内容は関係ありませんから、つまらなくたっていよいし、その前提としてアクセスしてくれれば読んでくれなくてもよいということになりますね。いえ、読んで面白ければレビューで宣伝してもらえるかもしれませんけれど。そこは狙わないと決めたのです。

マーケティングは継続

 わたくしの小説。PVが二ケタに届きません。マーケティングが弱いと評価します。継続することが大切なのですね。
 新しい小説を投稿するペースは下げる予定ですけれど、ほそぼそながらマーケティングの活動を継続します。

すっきり

 ブログに小説や小説家や出版にまつわるもろもろを書いてきましたけれど、頭に溜まっていた内容は吐き出したと思います。しばらくは小説を書いたときだけブログを更新することになるでしょう。ごきげんよう

小説に対する考え方、もろもろ

 いろいろブログに書いてきました。今回は小説を中心に据えて考えます。すでに書いたことを繰り返す部分もありますけれど、おつきあいください。

商品である

 小説は商品です。売っておカネをもうけます。小説家にとっても商品ですし、出版社にとっても、書店にとっても商品です。
 素人にとっては、試作品でしょうか。おカネを生むにいたっていません。ですが、同じようなものです。

新製品から次の新製品を生む

 工業製品の話ですけれど、新製品を開発設計したら、それを土台にして次の新製品を開発設計しろと言われています。そうしないと、ほかの会社が開発してしまうのですね、次に開発すべきであった新製品を。土台にする製品の方が開発費はかかったはずなのに。その先の新製品をかっさらわれるわけですから、大損失です。
 小説の場合も、ひとつ小説を書けば、つぎのアイデアが湧きます。こういう小説があるべきだというものです。他人がそのあるべき小説を書いてしまうということはあるかどうか知りませんけれど。あたらしい発想は不要で、連想でいいのです。せっかくネタが簡単に思いつくのに、小説にしないのはもったいないですね。

イノベーションが必要?

 イノベーションというのは新しいものを開発することです。ひとつ前の話で言うと、最初の新製品をつくるということですね。既存のなにも土台にしない。
 とはいえ、あたらしい技術を開発する必要はないのですね。たいていのイノベーションは古い技術というか、すでに利用可能になっている技術を使っています。使いどころをかえるとか、組み合わせるとかいうことです。アイデア勝負でイノベーションが起こせるのですね。
 小説の場合も同じでしょう。ベストセラーの作り方として、映画「キミの名は」について以前考えました。あれですね。
 イノベーションというのは新しいジャンルを作ってしまうような強力な新規性のある小説を書くことにあたると捉えることもできます。
 他の人がマネして同じような小説を書くのはカイゼン、展開を横取りしているようなものかな。転生ものとか、タイムリープとか、天使や死神やなんかが出てくるのとか。できれば避けたいですよね、こういうことはしたくありません。ネタが思いついてしまえば仕方ありませんけれど。

プログラムの作成と似ている

 以前書きました。小説を書くのはプログラムを作るのと似ていると思っています。わたくしの方法論のようなものです。繰り返しですけれど、また書きます。

仕様、設計、実装、テスト、デバッグ

 仕様を決めるのは、テーマを決めるとか、どういう小説かを決めること。ニーズに従って決める必要があります。この部分、うまくいっているとは思えません。作者や編集者が勘でやっている。素人と変わらない。次の項でもうすこし詳しく話しましょう。
 設計はプロット。大枠を決めるだけの場合もあるし、細かく決める場合もあります。各パートにどのような機能をもたせるかを決めます。
 実装は本文を書くこと。プロットで決めた機能を実現する文章を実際に書きます。
 テストは推敲、校正、デバッグはゲラチェック?よく知りません。

マーケティング・リサーチ

 社会、経済、人口、技術は企業の業績に長期的に、関わってきます。こういったものの変化は、脅威であり、機会であるといわれます。変化を早く察知し、準備すれば、変化の影響が大きく表れたときに他社を出し抜けるのですね。準備していなければ他社に刺される。
 経営者にとって大切な情報です。変化に対応するよう経営判断を下すのが経営者ですから。
 あわせてよく言われるのは、お客さんが商品を買うところ、使うところを観察しろってことです。マーケティングリサーチの一種でしょう。イノベーションのタネが転がっていたりします。
 小説で考えると、書店をうろつくとか、アマゾンのサイトを見て回るとか、人の家に忍び込んで読書しているところをのぞいたら通報されますから、喫茶店で本を読んでいる人とか、電車で本を読んでいる人を観察することでしょうか。どんなことが発見できるでしょうね。
 ノン・カスタマーというのもあります。お客さんじゃない、うちの商品を買っていない人のことです。なぜ買わないのか、買わずにどうしているのか。
 これもイノベーションのタネを発見したいということでしょうね。
 小説を読まない人が、なぜ読まないのか、読まずに何をしているのか、答えがわかったら、その対策を考えることができます。考えて答えが出たら、きっと売れる小説が書けるでしょう。
 対策が思いつかないことが多いと思います。世の中そんなに甘くないですね。

編集者

 出版社はマーケティング部門であるべきだし、編集者はマーケターであるべきではないかと書いたことがあります。本を売るのですから、本の市場を調査することはマーケターの最重要の使命と言ってよいでしょう。マーケティング・リサーチ。
 やっていそうにないですね。勘を頼りに、あるいは自分の好みで、小説家に注文を出していそうです。
 売れる小説をつくらなければ、売れません。当り前のことを書いていますね。文章にするとアホらしい。売れる小説をつくろうとしていますかね。
 売れる小説がわかれば誰も苦労しませんけれど、予測し、結果を精査し、リトライするってこともしていなさそうです。ほかの業界ではやっていることではありませんか。やるべきことをやっていない。出版業が衰退するのも当り前ですね。

出版業界

 出版業界は、すでに衰退期にはいっていると認識しています。先細りです。複数の要因が重なっています。本はどんどん売れなくなるし、出版点数も減ってゆきますし、出版社は消えてゆくでしょう。
 世の趨勢ででもあります。社会、経済、人口、技術の変化を考えても明らかです。
 変化に対して出版社が対応しようとしているように見えません。むしろダメなことをつづけているのだと思います、出版をとりまくものどもは。出版業界は着実に衰退を進めることでしょう。小説を書く人間にとっては残念なことです。

市場

 独占、寡占、完全競争と市場の種類があります。経済学の用語です。
 出版業界はどうでしょうね。誰がどのくらい売れているのかわかりません。もしかしたら寡占市場なのかもしれません。どの市場かによって戦略は変わると思いますけれど、

 経済学は商品の価値を無視しますから、出版業界に適用することは意味がなさそうです。価格と量だけの話です。一応現状把握に資するかもしれませんので覚書程度に書いておきました。

競争相手

 小説を読まない理由について、考えてみましょう。小説の競争相手、代替品というものの視点で。
 小説はエンターテインメントです。暇つぶしです。代替品はいろいろありそうです。テレビも衰退していますけれど、代替品のひとつですね。ゲームももちろんそうです。ラインなんかのコミュニケーションツールですね、ツイッターもそうです。わたくしもやっております。動画も見るでしょうし、検索でいろんなことを調べてサイトを見にゆきますね、ショッピングもします。小説を読んでつぶす暇がありません。

 変化ということで言うと、スマホの普及が大きそうです。テレビ、ゲームは以前からありました。むしろ、小説と同じようにスマホに押されているでしょう。

仕事と貧困

 仕事や勉強も、小説を読む時間を奪ってゆきます。貧困は小説を買う金を奪います。貧乏暇なしで、時間も奪います。

対策

 さて、対策は思いつきますか?やはりスマホで小説を読んでもらうのがよいのではないかと思いますけれど、九乃としては。スマホに特化した小説ですね、以前書きました。紙の本を読むのと変わらないようでは、戦えません。
 それから、少子化、貧困化の対策を政府に要求するとかですね。自民党少子化、貧困化を進める政策を行っています。そういう目標をもった政党ですから、根本的には政権交代が必要なのでしょう。

気持ちをくじいたら終わり

 業界を救ってくれるとしたら、未来の小説家です。現在の小説家が、衰退する業界になにも手を打てていないのですから、優秀な人材をつれてきて、なんとかしてもらうしかありません。未来の小説家に期待。
 小説家がつらいよ、苦しいよ、儲からないよ発言するのは、自分の首を絞める行為ですね。優秀な人が業界にはいってこなくなります。そんな発言をする人は善良かもしれませんけれど。善良が最善とは限りません。善良というのは、たいてい無知であったり、考えが足りなかったりします。
 人にそんなことを忠告することではありません、必要なのは。どうしたら儲けられるか、あるいは儲けられないながらもうまくやっていくか、考え、提案し、見本を示すことでしょう。やろうとしてもできないかもしれませんけれど。やろうともしないのは、控えめに言って、怠惰です。
 すでに無能なのだとわかっているのですから、結局言っちゃったよ、詐欺師になって、夢を語ってはどうでしょう。小説家のよいところを。つらくて、苦しくて、儲からないけれど、廃業せずに頑張っているわけでしょう、小説家は。おれにはできるけれど、お前らには無理だとでも思っているのですかね。
 好意的に考えれば、今はマシだけれど、今後は無理と考えているのでしょう。判断するのは本人です。結論ではなく、判断の材料だけを提供するべきですね。

 すでに小説家という立場にいるのですから、小説家という商売を存続させることに、それなりの責任もあるのではないかと思いますけれど。

素人から見て

 就職して、一人前になるまで時間がかかります。新人は社内で教育を受けます。いまの企業は余裕がありませんから、教育していないようですけれど。
 企業から見れば投資です、人材の採用と社内教育。小説家を個人事業主と見るのでした。企業にはいっていませんから、素人は自分で自分を教育し、自分に投資しなければなりません。
 試作品をつくるのでした。一人前になるまで試作品をつくりつづけなければなりません。
 このような見方というか自覚がないと、先が見えず将来を悲観しそうです。

成果を評価

 素人にはむづかしいですね。プロなら販売部数で評価できるでしょう。
 カクヨムとかでPVを評価基準にできそうですけれど、どちらかというとマーケティングの成果と捉えた方がよさそうです。読めば評価される作品であっても、見つけてもらわなければ存在しないと同じです。

賞はコンペ

 賞に応募することは、その出版社と取引をはじめたいと手をあげること。コンペです。コンペに勝てば仕事がもらえます。取引が続くこともあれば、打ち切られることもあります。別の取引先を開拓できることもあるし、できないこともあります。

おしまい

 まとまりなく、いろいろ書いてきました。小説を中心に、取り巻くことどもを書いてきたつもりです。認識、理解のお役に立てたらよいのですけれど。判断はその先です。

小説のフォーマット

紙の本はなくなる?

 紙の本、なくなるかもしれません。以前、カメラの話をしました。銀塩からデジタルへ、デジカメがプロの仕事に使えないというレベルから、プロはデジカメでないと仕事にならないに、数年で、3年くらい?、でガラッとかわりました。いま銀塩を使っている人はいますかね。現像とかプリント今でもできるでしょうか、知りません。
 もう少し考えてみましょう。

レコードからCD、ビデオカセットからDVD、ブルーレイ

 レコードを見たことがない人もいることでしょう。わたくしはメタルの人ですから、そういう設定です、レコード聴きます。レコードで発売されたアルバムはレコードで聴きたいからです。CD化されていないアルバムもあります。
 マニアのものですね。
 ビデオカセットを見たことないという人もいるでしょう。これまたDVDとビデオデッキが合体したデッキで、九乃はビデオを見ます。DVDになっていない資産があるからです。ビデオデッキが家にあるというのは、もうマニアしかないですね。
 今度はディスクがなくなりつつあります。ストリーミングですね。CDがいまだに売れるのは日本だけだと言われることがあります。日本人、マニアックですね。
 音楽はかように素早く、アナログからデジタル、物理からデータへ移行してきました。本はいまだに紙で読む人が多いようです。なぜでしょう。

スタンダード

 ビデオのVHSとベータ戦争なんてありました。ブルーレイもHDDVDと争いました。どちらかに統一されたのですね。
 本はどうでしょう。
 わたくしはキンドル・ペーパーホワイトを使っています。電子ペーパーです。まぶしくなくていいですね。画面サイズがちいさく、白黒という欠点があります。
 電子書籍の欠点はそれだけではありません。統一されていないということです。hontoというサイトも電子書籍売っています。ですけれど、独自のアプリでしか読めなくしています。それでは価値がありません。
 苦戦しているのでしょうね、常に安売りをしています。いつでも2割引き、半額ということもあります。タイトルによってはもっと安く売ります。でも、買いません。キンドルで読めないからです。価値がないのですね、安いけれど。
 キンドルも、ほとんど自分の小説の推敲専用に使っています。小説を買って読むことはほとんどありません。いえ、一度もありません。小説ではない書籍を買いました。
 キンドルでもhontoでも、コンテンツは同じです。でも、フォーマットがちがいます。この状態では滅びの道しかありません。
 無料のアプリですよ?なんのために統一しないのですかね。頭おかしいとしか思えません。やめたらいいのに、電子書籍販売。そのくらいクズです。経営判断のレベルのことですから、経営者がクズなのです。
 もし、フォーマットを統一して、電子書籍はどのリーダーでも読めることにしたら、状況は大きく変わるかもしれません。変わらないかもしれません。

それで?

 電子書籍の販売、リーダー、うまくいっていると思えません。いつまでもVHSとベータで争っているようなものです。ブルーレイとHDDVDで争っているようなものです。普及が遅れますね。
 この状況が続くとどうなるでしょう。
 キンドル・アプリやなんか、スマホで小説を読むでしょうね。リーダーの端末を買っても、不便ですから。
 スマホで小説を読むとなると、電子書籍を買って読むキンドル・アプリも、カクヨムなんかの投稿サイトのアプリも同列での勝負ということになるのではありませんか?
 投稿サイトで無料で膨大な数の小説が読めるなら電子書籍を買う人が減りますね。膨大な数があって、その中でランキングが高ければそれなりの質の小説なわけです。
 読んだあとでの評価も膨大です。信頼できる評判であり、評判が高い小説はプロの小説に見劣りしないでしょう。プロの小説のランキングはたいしてアテにならないものです。
 電子書籍を買う人がいなくなるかもしれません。普及するまえにマーケット消失です。
 電子書籍を販売する企業やリーダーを販売する企業は早く考えをあらためたほうがよろしいでしょう。九乃はかように考えまする。