書きました。5000文字のショートストーリー「處女作」。
ブログ書いているうちにもおすすめレビューいただいてました。
一田和樹「昏い悪夢のような情景が積み重ねられて淫靡な物語になる」(處女作) - カクヨム
プロに読んでもらえるなんて感無量。自主企画を開催してくださっているの、すごいサービスですよね。そりゃ、本を買わなくちゃという気持ちになるってものです。
ホラーを書いてみた
九乃は科学者ですから、ホラー、書けないと思っていました。怖いことってあまりないですね。痛いのは怖いし、死んだり殺されたりするのは怖い。死んだことも、殺されたこともありませんけれど。その状況を想像するとオシッコちびります。本当にちびるのですかね、ビビると。
楽屋裏は表
今回も楽屋裏をご案内。はじめのアイデアが思いついたところから、九乃の頭の中をのぞいてください。
黒い空間
なんでしょうねえ、高校生が黒い空間に吸い込まれるってアイデアが浮かんだのですけれど。吸い込まれてどうなるの?とか、黒い空間とはなんぞやとか、アイデアを思いついた人間がわかっていません。ホラーのネタかなくらいに思っていました。
連作短編
カクヨムでどういうわけか、連作短編らしきものになっている小説群。小説を書く大学生、九乃というキャラが出てきます。わたくしがモデルというわけではありません。エラリー・クイーンの手法です。
思いついたホラーのネタを連作短編にまぜることにしました。5000文字の短い小説になりそうという予感です。
小説内小説
小説を書く九乃が登場しますから、小説内小説としてホラーを書くことに、たぶんなるだろうと予想しました。九乃も高校生になります。
裏返しにする
「なんでもない殺人事件」は小説を現実でサンドウィッチしました。逆に、小説で現実をサンドウィッチにしてみようと決めました。連作短編のひとつにする狙いからの発想です。
ホラー
黒い空間に吸い込まれる部分を現実パートにすると、ホラー小説部分が別に必要になります。このあたりで思いついたのだと思います。黒い空間は、時間がずれていて夜なのだと。開かずの教室は内部がいつでも夜なのかなって。
ホラーは夜
ホラー小説部分は夜に怖いことがあったことに決まりました。高校生が夜に教室にいる。
はじめは忍び込むことを考えていましたけれど、どうしたら高校生を夜の教室に忍び込ませられるか思いつきません。しばらく書けないかも、なんて思っていましたけれど、放課後呼び出されて、夜までずっと待たされ続けるというアイデアが思いつきました。
すると、先生に呼び出されるわけです。夜まで待たせ続けないといけませんから、閉じ込めておくことにします。先生悪い奴ですね。で、オオカミを子羊ちゃんの檻の中に送り込むことになりました。
恐怖を書く
怖いものを書くのではなく怖さを書くんだ。映画の話でしたっけ。そんなことを言いますよね。たしか。怖さを書くと言われてもよくわからん。となるわけでして、怖がる女の子を書けばええんやろと、スケベおやじになりました。
ドアが開くところで止めたら怖わそう。ということで、ホラー小説部分の区切りが決まりまして、一行目から書きはじめます。
書きはじめる
ホラー小説部分は書くべきものが揃いましたから、書くだけです。怖い感じを出すために漢字を多く使うことにして、あとは、怖くなりますように怖くなりますようにとおまじないしながら前半後半つづけて書きました。
フランソワ
はさまれる現実パートです。フランソワ、どこからやってきたのかわかりません。同級生をだそうとして、名前を考えていたのですけれど。
余計なネタをぶっこんでしまったせいで、フランソワのパートだけで2000文字書いてしまいました。ごっそりボツにしました。おそるべしフランソワ。
ヘンに背景のありそうなキャラが出てきてしまったものですから、九乃とフランソワの話をふくらませないといけないような、もったいないような気分になっています。困ったことです。いつまでたっても連作が終わらなくなってしまいます。
現実パート、黒い空間が出た
メインの黒い空間、やっと出ました。ここが書きたかったのですね。なのに、さらっとしか書けません。ふたつにわかれて、全部で十行くらいでしょうか。ぎゃー吸い込まれるー、みたいなのをねちっこく書きたかったのですけれど。アイデアがしょぼかったのですね。
現実パートとホラー小説パート
現実と小説で同じようなことが起きるわけですけれど、あまり同じすぎてもつまらないというか、読者からしたらひねりはないのかよとなりますよね。予想の範囲内となってしまいます。
時計と彫刻刀は、登場しますよね。夜の描写も似たものになります。同じ場所ですよと匂わせないといけません。
小説パートでは、女の子がおかしくなって彫刻刀を振りまわします。となると、男の子におかしくなってもらわないといけません。はじめから男の子がおかしくなると、黒い空間に吸い込まれたときの成り行きからするとおかしいし、ひねりがない。女の子がおかしくなっておいて彫刻刀、そのあと男の子もおかしくなる。でも、はっきり書かない。そういう方針です。
九乃、再登場
小説の後半も書いてもらわないといけませんから、九乃が再登場です。
ホラー小説パート後半
後半は先に書いていましたから、読み流して、ひと通り書けたことになります。
残酷描写有り、暴力描写有り、性描写有り
ホラーだからって残酷描写、暴力描写がなくてもよいのですけれど。なしで怖いとなるってむづかしそうですね。
残酷描写有り、暴力描写有り、性描写有りとなりました。いままで、どれにも該当しない小説を書いてきたのですけれど。新境地開拓しました?
贅沢を言えば
ひねりをいれたのが、現実パートで、先に読者の目に触れます。あとのパートの方がストレートになってしまい、尻すぼみの感が否めません。もうちょっとなんとかならないものかと思いましたけれど、あきらめました。
たとえば、黒い空間に吸い込まれるパートのすぐあとにホラー小説パート後半をいれるとか考えられますけれど。最初の狙い通りのホラー小説でサンドウィッチを採用することにしました。
この小説はこういうものだったということです。曲がもとめるソロを弾いたつもり。
最後に
もしかして、これ九乃がはじめて小説らしきものをかいたエピソードなのでは?とひと通り書いてから気づきました。それで、フランソワのパートはその視点で修正しました。ペンネームのところですね。
そうなると、タイトルも決まりました。やったー、完成。
足もとにお気をつけて
楽屋裏案内おしまいです。蹴躓いてコケないよう、足もとに注意してお帰りください。