短篇小説「活字中毒(仮)」をカクヨムに投稿しました。

 高原英理『グレー・グレー』(東雅夫 編「平成怪奇小説傑作集3」創元推理文庫)を読みまして。ツイッターで感想を書いたのですけれど。ラストがわたくしには好みではなく感じられて。

 明確なオチをつけないほうがよかったのでは。
 あのまま部屋に戻って、彼女があちこち痛んでいて、いつまで体がもつか、意識がどうなるか心配しながら部屋を出て行って終わりくらいがよかったように思ったのです。

 

 そんなことを、小説を読んだあとも考えていたのですね。そうしたらネタが思いつきました。今回の小説です。
 ラストもすぐに思いつきました。あとははじめからのストーリーが必要ですね。
 でもまあ、本を読むんだなってことは決まっているわけで、あとは明るくふんわりした感じかなということを決め、1行目から書きはじめました。
 書きはじめたのはよいのですけれど、いきなり彼女が登場しました。ありゃ? そんな予定だったっけ? で、彼女の方が活字中毒になってしまいます。おやおや、出しゃばりな子。
 それに、なんだかふんわりという感じは彼女の話し方に集約されています。これはこれでよいかという気がしてきました。
 ラストはぼくが活字中毒で消えるのですから話がちがいます。どうやって進めようか考えつつも、そのまま第1ブロック、第2ブロックと書きましていったん止めました。

 

 つぎはハイキングに行かせようとは思っていたのですけれど、最後の「ちょっと出かけようか」というセリフはあとから付け足しました。といっても第3ブロックを書きはじめるずっとまえですけれど。
 いつものわたくしは、こういう予告みたいのは書きません。病院へ行った話から、一気に1年後の大学をやめた話をする感じがいつものわたくしです。
 ただなんとなく試してみました。予告あったほうがよかったかどうか。あとで利用できましたから、今回はよしとします。

 

 高原英理『グレー・グレー』のパクリというか、インスピレーションが降ってきたわけですけれど。その前に一田和樹さんがカクヨムに投稿した「解体屋」を読んでいたのでした。
 ここまで書いた時点で『グレー・グレー』のパクリとも言えるけれど、「解体屋」のパクリともいえるなと気づきました。
 ということは、両作は似ているということですけれど。わたくしの小説の雰囲気は「解体屋」の方が近い気がします。

 

 さて第3ブロック、書くまでに時間があきました。どんなこと書こうかなと考えていました。翻訳をやっていますから、そっちを優先させながら。
 でも、突然思い立ちました。カクヨムコン短編賞。出してやろうかと。
 カクヨムコン興味ない、参加したくないとさんざ言っておきながら、最終日に投稿してやれと、わたくしの中の悪魔がささやいたのです。この悪魔、発言力強いのですね。
 では書かないと間に合わない。
 書いてから一日は見直しに当てたいものですからね。そうやって、29日に思い立って、29、30と、彼女の肘まで消えちゃうところと、ぼくがまるっきり消滅してしまうエンディングまでを1日づつで書きました。31日に投稿前見直しすればオッケーというわけです。

 

 お読みくださった方は気づいたと思います(これから投稿しますけれど、そういうテイで)。はい、わたくしも明確なオチのある小説にしてしまいまいした。それは、はじめにネタが思いついたときのラストからしてそうだったのだから仕方ありません。
 『グレー・グレー』にケチをつけたのがキッカケだったのですけれど。
 もやっとしたラストは、この小説にふさわしい気もしません。こうなるしかないよねってところに落ち着いているのではないかな。

 

 ひと通り書き終わりましたけれど、タイトルがありません。「活字中毒」というファイル名そのままは味気なさすぎます。

 このブログ記事を書いている今も、まだ思いついていません。どうしましょう。いえ、考えるしかありませんけれど。