「なにもしていないのに、PC壊れた」
またショートストーリーを書きました。
今回は、みっつのバージョンがあります。
・はじめのバージョン零。これをボツにして、
・バージョン・ハンバーグ、
・バージョン・アイス
です。
小説を書く、楽屋を公開
「なにもしていないのに、PC壊れた」を書いてゆく過程をすこしお届けします。
バージョン零
バージョン零は、8000文字になってしまいましたし、内容的に重すぎました。連作短編風にショートストーリーを進めてきましたから、ほかの小説との兼ね合いで、このままではダメと判断しました。
九乃カナの登場する小説を書いたことがありまして、ペンネームを考えるのがメンドクサく、キャラから頂戴したわけですけれど、そのときの設定からいろいろと借りてバージョン零を書いたのでした。
娘のカナ、夫のカズキ、カズキの仕事のパートナー沙希さんが登場しました。カズキは行方不明だし、沙希さんは登場前にミンチにされてしまったわけですけれど。
もちろん、全員実在しませんし、モデルもいません。小説に都合のいいようにでっちあげたキャラクターです。
バージョン零のメモを公開
小説を書くまえのメモを公開します。
起承
・九乃カナ。小説を書く。七八十歳ってところだけれど、描写しない。
・家が舞台。
・ガウスは大人の男性。リーマンは5歳くらいの男の子。
・ガウスは九乃さんと呼び、リーマンはカナたんと呼ぶ。
・ガウスは5年くらいいて、リーマンは去年から。
・ガウスはリーマンのメンドウをよく見る。
転
・ガウスの機嫌を損ねる。
・壊れるってどんな?
・リーマンは泣き出す。さみしげ。九乃は、もういいかってなる。
・ガウスもリーマンもPC。スマホがあるからPCいらないかってなったときに、起死回生で作られたPC。
・うん十年後だから、九乃は歳いってる。
結
・ガウスがいないとダメなことがある。九乃はひどい目に。
・九乃が折れて、機嫌をとり、めでたしめでたし。
短編小説だから、起承転結をキッチリ決めようということで作った起承転結表のようなものです。こんなものをもとに小説を書くのですね、わたくしは。
メモに書いてあることが、機能であり、その機能を実現、プログラミングでは実装といいますけれど、実装したものが、小説の文章だと。わたくしの考えでは、そういうことになっています。
バージョン零では、かなり忠実にメモをなぞっていると思います。文字数が多かったから、ハンバーグとアイスではかなり端折りました。
反省=脳内会議
零を反省したところ、ガウスが豚肉をすすめ、リーマンがミンチといったところから、沙希さん殺しちゃうことにつながったとわかりました。お前らが悪い。というわけで、豚肉が出てくる前で方向を変えてしまおうというアイデアが提示されるわけです、脳内会議で。
だが待てよ?そうすると、けっこう前の方からあたらしく書かなければならないぞと。もっとあとになってから方向をかえてもいいのでは?と、ずぼらな九乃13が提案しました。もちろん、脳内会議で。もっとあとって、どこにすりゃいいんだよと、すごむ九乃8。昔のキャラを出さないようにすればいいんじゃん、カナが出てくる手前でしょ。と九乃α。
バージョン・ハンバーグ
できたのが、バージョン・ハンバーグです。榊さんを即席ででっち上げ、カズキが置いて行ったカメラを都合よく配置し、なんとか形になりました。榊さんのぐちょぐちょのめためたを説明するアクション、わたくしは気に入りました。それから、ハンバーグのタネこねるところ。
ぐちょぐちょのめためたが少しグロテスクで、連作短編としてどうかという懸念が残ります。きっと、もうひとつ前で分岐した小説が面白くなるだろうと、楽観的に考えていたこともありまして、完成時点ではあまり評価高くなかったのです、九乃にとっては。
バージョン・アイス
最後のバージョン。リーマンがアイスを提案したときに、それにのるバージョンですね。いえ、避けようとしていますけれど。
わたくしとしては、マズいアイスを食べさせるのが、最も簡単な九乃をひどい目にあわせるアイデアでした。どうやってPCの機嫌を損ねてやろうかと機会をうかがいながら、書き進め、アイスを食べさせた時には、すでにリーマンの機嫌悪かったのでは?と思いつき、バージョン・アイスができました。
結果
思ったほど面白くならなかったバージョン・アイス。ほのぼのしていて味わいはそれなりにありますけれど。ハンバーグはちょっと冒険みたいなところもあって、気に入ったシーンもありますし、いまはハンバーグの株があがって、アイスより面白いと評価しています。
おしまい
九乃が小説を書く楽屋でした。