ショートストーリー「『また会いに来たよ』」をカクヨムに投稿しました。

 カクヨムの自主企画に応募するために書くことにしました。

 同題異話・三月号 「また会いに来たよ」 - カクヨム

 こちらですね。特にアイデアはありません。どうしようかと考え、ホラーっぽいかなと思いました。それに、子供っぽいですね、口調が。「また会いに来たよ」ですからね。

 「また会いに来たよ」(九乃カナ) - カクヨム

 メモはこんな感じでした。

くるなくるなと思っている。
でも、「また会いに来たよ」とやってくる。

やってくるものの正体は書かない。
頭の中に声が聞こえる。
耳で聞くように聞こえる。聞こえるはずのない声。

主人公が誰かにまた会いに来た。
何処だろ。誰だろ。なんでだろ。 

  きてほしくないのに、「また会いに来たよ」としたくなります。怖さを演出するために、耳元で聞こえることにしようと思いました。最後の2行だけ、まだ5行書いていないくらいの早い段階で書きました。

 はい、はじめと終わりがつながっていました。切り離して間にエピソード、メモで言うと最後の2行部分、を書いてゆくという、小説内小説をネタにしていたシリーズみたいな書き方をしました。時間の流れが凝っていますし、読むとわかりにくいかもしれません。わかる人だけわかってください。自分ではあれで正解かなと思っています。

 「また会いに来たよ」というのは、誰なのでしょう。考えるのを忘れて書き終えてしまいました。やっぱり夢の中の腕の持ち主でしょうか。でも、手をつかまれただけで、会ったといえないような気もします。亡くなった友人ではないでしょう。子供の口調だから、やっぱり腕の持ち主なのでしょうねえ。もしかしたら以前に別の夢で会っていたのかもしれません。

 もう一点、夕食を早めるというやりとりのあと夜寝るまでなにか怖いことがあって、布団の中であんなにビビッていたのでしょうか。そこは書いていません。おばあさんの手が子供みたいというだけでビビッていましたから、そのまま暗くなって恐怖が増したということでしょうか。自販機のモーターが止まっただけでビビッてますからね。

 実は今回、わたくしの体験談をいれました。空間から伸びた子供の手に腕をつかまれる夢です。ビビりました、あれは。つかまれた瞬間にビクッとして起きましたから、感触が鮮明に残っていました。鳥肌が立って、汗びっしょりというのも、心臓バクバクだったというのも、体中に力がはいっていたというのも実体験です。世の中は不思議なことでできていますね。トイレに行ってからぐっすり眠りましたけれど。

 あとは、怖さの演出で不気味なおばあさんを出しまして、書いている途中でなんとなくおばあさんの手を空間から生えていた子供の手っぽくしてみました。おばあさんが縮んでいて小さいですから、子供の手みたいでおかしくないのですけれど、神経質になっている主人公には奇妙に見えたかもしれません。あるいは、本当に夢の中に手をつっこんでいたのかも?

 主人公が神経まいっているだけとも読めるし、超常現象的ななにかとも読めるでしょう。どちらにしてもホラーとして読めると評価しています。

 最後、急に怖くなるのも、突然ナイフつきつけられるようでいいんではないでしょうか。意図どおり成功しているかどうかは別ですけれど。

 ホラーといいつつ、エログロになることが多いわたくしの小説ですけれど、今回はエロもグロもなしです。よくやった。