柳なつき「あなたの恋、やり直します。 江ノ島恋愛レンタル店」(メディアワークス文庫)を読みました

 柳なつきさんのファンの方が読むかもしれません。まず自己紹介から。
 小説を書いては賞に応募することをはじめまして、二年間で十作くらい長編を書きました。一年間の休眠ののち、現在はカクヨムで短編を書いております。一月二月は書き過ぎて小説に時間をとられ過ぎましたから、三月に入ってペースを落としました。
 柳なつきさんとはカクヨムツイッターでつながっていますけれど、お知り合いと言っては言いすぎでしょう。
 そんな九乃カナです。

 つながりができましたから、柳なつきさんの小説を読まずばなるまい、ということで購入しました「あなたの恋、やり直します。 江ノ島恋愛レンタル店」(メディアファクトリー文庫)。いいですね、恋愛レンタルと語呂が。

 タイトル

 きっとシリーズものになる予定なのですよね。読み終わってみると、完結という感じではありません。それで、タイトルの前半は一作ごとにかわり、後半部分がシリーズ通して使われるのだろうと結論しました。一作目ですからね、どんなシリーズか説明するようなタイトルになっているのですね。恋をやり直すお話。レンタルの部分はよくわかりませんけれど。戻ってくるから?消えてなくなるから?あまり深く考えてはいけませんね。

構造

 小説の構造は、知念実希人「やさしい死神の飼い方」と同じですね。きっとほかにも同じ構造の小説はあるでしょう。わたくし小説をあまり読みませんから知らないだけです。で、あっちは一本のストーリーに収斂していくのですけれど、「江ノレン」(勝手に略しました)にその兆候はいまのところないようです。シリーズが進むにつれて、なにかありそうな雰囲気はあります。

ジャンル

 「やさしい死神」(略しました)はファンタジーとミステリーですけれど、「江ノレン」はファンタジーと恋愛です。あと、お店ものというのか、お仕事というのか、そういう要素もあります。レンタル店ですからね。
 どうでしょうねえ、男性は読者対象になりにくそうです。いえ、勝手なイメージです。でも、表紙や帯もそうだし、メインキャラが若い女の子と金髪碧眼の男の子ですからね、メインは若い女性を想定しているのだと思います。帯に「大人のためのラブストーリー」とありますしね。わたくし間違っていません。

感想

 やや、ありがちな設定ですけれど、アイテムに思いを込めて魔法みたいなものが使えるというように、魅力的なプラスアルファもあって楽しめます。
 言いたいこと言えないとか、考えの古いオジサンにうんざりとか、感情移入しやすいキャラが登場しますから、その方面でも楽しめます。それに金髪碧眼の不思議少年ですね。
 お店のシンボル、恋の鯉のぼりが大フィーチャーされることを期待してしまいますけれど、どうなるのでしょう。あと、日本刀とか。まだシリーズ一作目ですから、種まきの段階なのでしょうね。今後に期待をもたせる部分が多いように思います。