同題異話SR「字句の海に沈む」をカクヨムに投稿しました

 同題異話SRですね。月初にお題が公開になりまして、お知り合いの方が参加していたり、主催者の方をツイッターでフォローしていたり、参加作についてのツイートがまわってきたりと、なかなか無視することはできない状況です。

 目に入ると頭が勝手に考えてしまうものです。すくなくともわたくしはそうです。

まず思いつき、すこし考えメモしたのがこちら。

ジークフリート
日本人がネーデルラントへやってきて、ジークと親しくなる。
ネーデルラントへはどうやっていくんだろ。
シルクロードを通って、途中から北上かな。つまり陸路。
海まできて、ジークと知り合うのか。
この海がジークの海。
王様だからね。
日本人は僧侶か、陰陽師

海に沈むは?
死んじゃうのかな。
なにかモノを沈める?

死なないなら帰るか、旅をつづけることになるか。
別れのとき、
お前の国の文字でジークってどう書くんだ?
字句。 

  ジークで字句というダジャレですな。ジークフリートというのは名前を知っていたわけですけれど、どういう人物かは知りません。便利な世の中ですからね、検索すればたいていのことは知ることができます。「ニーベルンゲンの歌」という伝説物語の主人公ですね。ネットで調べただけで、上のメモができました。

 物語についてなにも知りませんから、勉強しなくてはなりません。どういう時代なのか、日本は? どうやってネーデルラントへ? 物語のうちどのあたりにあたる? そんなことですね。ちくま文庫版を注文しまして、アマゾンですね、読みました。追加のメモです。

ジークフリートについて。
魔法の隠れ蓑タルンカッペ、名剣バルムンク
悪竜を倒す
魔力のこもった竜血を浴びて全身が甲羅のように硬くなり、いかなる武器も受け付けない不死身の体となる
背中に菩提樹の葉が一枚貼り付いていて血を浴びられず、この一点のみが弱点
ブルグント王グンターの妹クリームヒルトが奥さん。
兄グンターの奥さんブリュンヒルトとクリームヒルトはいがみあっている。

城の名前はクサンテン。

子供が生まれた。
グンターと名付ける。
ジークリンデは死んだ。
豊かな暮らしぶり。
ブルグント国から使者。
ジークフリートとクリームヒルトはブルグント国へ招待され出かける。
ジークムントも一緒。

暗殺

四年後、クリームヒルトはブルグント国にずっと残っている。 

 小説は、クリームヒルトと結婚してネーデルラント、本ではニーダーラントでしたから統一しました、 にもどってきて、子供がいる。このタイミングにしました。

 物語の舞台は5世紀とか6世紀とからしいのです。その時代、日本は五王時代みたい。卑弥呼のあとくらいです。中国に遣いをだしては青銅器なんかをもらってくる、そんな時代。主人公は倭国から中国に遣わされた人物にしよう、そこから逃げたことにすれば都合がよい、と考えが進みます。

 ちなみに朝鮮は三国が争っていた時代のようです。倭国も周囲の小国を征服しようとしていた。中国は南宋の終わり? よくわかりませんけれど、北は北方民族が入り乱れていた? そんなころですね。シルクロードを通ってヨーロッパへ抜けます。物語に上質な絹の産地なんて言って、アラブかもう少し東くらいの町がでてくるみたいですから、シルクロードはすでに商隊がゆききしていたのでしょう。

 旅人の名前、サダイエとしましたけれど。藤原定家からとりました。時代がちがいます。小説の時代、五王はみんな漢字一文字の名前みたいですね。そこはフィクションでサダイエとしました。ジーク、サダとあだ名で呼び合わせたいものですから、漢字二文字が都合がよかったのです。

 ジークフリートに漢字で名前どう書くかというセリフを吐かせなければなりません。うまい事自然に言わせたいものだと考えまして、詩のやりとりが思いつきました。字句という漢字と相性よさそうでしょう? 字句の海ですからね、海に行くことは初めから決まっていました。プロローグで岬の上に石碑があって、なんて考えていましたけれど、これはボツにしました。

 困ってしまったのは、ジークフリートのお城から海まで200キロくらいあるのです。ヨーロッパ、そんなに広かったっけ? オランダですよねネーデルラント。海なんかすぐそこだとタカをくくっておりました。で、王様と従者と、旅支度と、大騒ぎに。ということにしました。

 第2話が薄くてイマイチですね。それに全体的にもっとこってり書いた方が雰囲気でたんではないかと思います。

 世界の設定がよくわかりませんから、無理をせず物足りないくらいで妥協しておきました。

 勉強に時間がかかってこんなタイミングになりました。かつてないほどの労力を傾けましたけれど、どうでしょうね小説的に。楽しんでくださるとよいなあ。