なぜこんなにハイペースで小説を書いているのか。わたくしは書きたくないのですけれど。九乃カナです。
全7話10000文字くらいの短編でした。完結しましたからブログ記事にします。
タイトル
今回のタイトルはネタが思いついて早い段階で思いつきました。はい、パクリです。「アンドロイドは電気ヒツジの夢を見るか?」が元ネタですね。
「アンドロイド」読んだことがあるのですけれど、タイトルのキャッチーさから期待するほどは面白くありません。なんだかシリアスでアクションものって印象でした。読み終わって捨ててしまいましたからどんなだったか見直すことできませんけれど。
小説の始まりはネタの始まり
小説を書くにはまずネタです。ネタを思いついたらはじまりと終わりを考えなければいけません。書きはじめるには、すくなくともはじまりが必要。
最初の思いつきは、悪魔が死んで異世界転生の女神と会話するところです。あれ、あのまま思いつきました。
つづけて、愛する人に再会? してプランタジネット家の話をされて面食らうところ。わりと流れですらすら出てきました。もっと会話が弾んだ気がしますけれど、書くころには多くを忘れて、覚えていたのが完成形。長さは十分ですね。
はい、得意のおふとぅんで考えました。
見切り発車で書きはじめる
小説タイムにネタを覚えていましたから、はじめから書きはじめます。
はい、「吾輩は猫である」のつもりで書きだしましたよ。
愛する人が死んでしまって、自分も死にたいと思っている悪魔。書いてゆくとターミネーター2のパロディが湧いてきました。行っちゃえ行っちゃえ。
異世界転生の女神のパートは布団の中で思いついたことを思い出しながらすらっと。なぜか女言葉を使うことにしました。
イチロウの名前はなにかありきたりでペットにつけそうな名前ということでなんとなくつけました。
異世界転生して千絵利がさっそく登場します。
千絵利の名前、どうしようかと思いましたけれど、タイトルで甘酸っぱいを使いましたから、甘酸っぱいフルーツを検索してさくらんぼがよさそうと決め、桜桃ともいうのか、桜桃、藤堂、藤堂千絵利。ダジャレかよ! ダジャレです。そのまま本文に利用しました。
主人公のイチロウもさくらんぼ大好きという設定をぶっこみます。はい、あそこ、書きながらキャラ名、設定を決めて行きました。
大丈夫というのも、なんとなくキーワードっぽくしました。なんでしょう、こんなご時世だからですかね、九乃カナの頭の中は謎です。
千絵利に連れられておしゃれな居酒屋へ行くわけですけれど。そんなことは決めずにウーロン茶を飲ませるところを書き、そのうち大学サークルの宴会ということになりました。
イチロウをさくらんぼ好きにしたの正解でしたね。種が口から出ちゃって男の鼻にあたるところ、九乃カナは天才かなって思いました。大げさ。
悪魔がからまれたらどうなるかなってのを書いて行ったら、男をにらむし、かかってくる男に手をかざすし、魔力がなくてやられちゃう。このあたりは設定から自然な流れで書きました。
やられたあと、千絵利の部屋で目を覚まします。キマした、甘酸っぱい恋を書くときです!
ここまでに書いたプロットらしきもの。
魔力が使えなくなっていて悪魔ではなくなっていると気づく。
甘酸っぱいってなんだ!
使えませんね。甘酸っぱいってなんだという疑問を胸に、千絵利にほっぺにチューをさせました。わたくしとしては会心の一撃ですよ、これは。酸っぱさは感じないかもしれませんね。甘酸っぱいってなんだぁー!
つぎは時間を飛ばしています。おしゃれ居酒屋でチェリーパフェはやっぱり終了でした。バスのシーン。さくらんぼって5月ころですかね。ゴールデンウィークの頃ってイメージがありますけれど、確かではありません。
ま、春で街路樹に青葉がつきはじめるころですよ。日光を絶妙な塩梅にさえぎって、バスの中に影の斑をつくります。バスに乗る機会のない人にはあれだけの描写ではイメージが湧かないかもしれませんね。どんまい。
海に連れていきました。なんとなくここらでしんみり感を出そうという魂胆です。海を見つめる千絵利ですな。
行く当てのないイチロウに一緒に住もうと持ち掛けます。イチロウは前世の思い出がありますから千絵利のことをすっごい愛しているわけですけれど、千絵利の方では昨日会ったばっかりの様子のおかしな男ってわけです。でも、ずっと一緒とか言っちゃいます。ぎゃー、このヒロイン!
ラストが見えてきた
このあたりまで書いてくると、考え考え書いていますから、先の方が決まってきます。あとから足したのもありますけれど、メモったのはこんな感じ。
病室で。
わたし女神なの。
は?
前世で悪魔を愛して、魔力を浴び続けたせいで病気が予定より悪化して死んでしまったのね。
ええ?
今回は魔力がなくて天命を全うできそうだけれど。
思い出した。私は千絵利を助けようと魔力を最大出力で放出したのだった。
かえって千絵利を悪くしていたということか。
私が魔力を失ったのも、あのときほぼ魔力を使い切っていたからなのか。廊下に出て歩き出す。
ハイヒールの靴音高らかな女とすれちがう。
「イチロウ」
振り返ると、こちらを向いて仁王立ち、胸の前で腕を組んで、胸が載っている。どこか見覚えがある。
「異世界転生して感謝しているの?」
「感謝、しきれません」
「いい態度ね」
私は深く頭をさげた。
靴音は遠ざかって、病室のドアを開ける音がした。
「千絵ちゃん、元気ぃ? お姉ちゃんだよぉ」
グルじゃねえか!
ここまでにいくつか仕掛けがあります。
女言葉の異世界転生の女神。腕を組んだキメポーズ。ぷっと吹き出しちゃうところ。
千絵利と異世界転生の女神の共通点ですね。
千絵利にじつは女神なのと言わせることによって、異世界転生の女神だったのかなって思わせようという作戦。でも、すぐあとで本人が出てきて、妹だったとわかるというオチ。ひっどくくだらないオチですけれど。
前世に千絵利と出会ったエピソード、なぜ千絵利が死んだのか、自分の名前、こういった記憶がなかったあたりもうまく処理したつもり。
千絵利を病気で殺す(前世で)ことはネタを考えていたとき決めましたけれど、どんな病気がいいかはわかっていません。女性が死亡しやすい病気を検索して甲状腺がんがよさそうとわかりました。甲状腺がん自体は治りやすいのですけれど、転移するとやっかい。その辺の仕入れた知識で書き進めました。
ただ、どうやって病気に気づくかまでは調べ切れなかったもので、とりあえず倒しておけって感じで雑に倒れさせました。短編ですから、あまり力をいれていられません。
前世は死んじゃって、今度は手術で治ることははじめのネタの段階で決めていました。どうやって生かすかが問題です。
で、どっちが先に思いついたか忘れましたけれど、女神と悪魔の取り合わせですから、一緒にいることで女神の体に悪影響があって前世は死んだ。今回は魔力なくなっているから手術で助かるということで解決しました。
せいぜい死んじゃうんだろうなと読者に思わせるように書き、手術のあと死なないってことでどんでん返しみたいな効果を狙いました。
前世の千絵利の死のエピソードを思い出す場面。手術のあとですべてを思い出す場面。ふたつに分けました。どんでん返しのためですね。
最後のオチは、千絵利が異世界転生の女神だと思わせたのをひっくり返しました。胸の大きさがちがいますしね。
雑なツッコミで幕を閉じましたよ。ぶち壊し?
簡単に書けるタイプの小説でした。今は並行して進めていた書きにくい小説をちびちび書いています。