カクヨムに「葉桜の君に《花物語バージョン》」を投稿しました。

 自主企画「葉桜の君に」参加作の第4弾。なにをやっているのでしょう、わたくし。小説を書いている場合ではないといいながら。思いついてしまったから書かずにいられなくなってしまったのですね。

 そんなこといいながら、吉屋信子花物語」を読んで勉強してしまったわけですけれど。

 《花物語バージョン》は「花物語」っぽく書いたバージョンという意味です。

 

 吉屋信子花物語」についてはウィキペディアででも調べてくだされ。短編の少女小説です。少女同士の心の交流が描かれて、今で言ったら百合です。肉体関係はありませんけれど。

 できるだけ「花物語」風な百合っぽいものにして、自主企画の規定プロットは裏で、あるいはできるだけ後の方で進めるというのが、今回の作戦です。では詳細を話す!

 

 桜子が春子姉様と出会うシーン、そのまえにプロローグ的なものがはいっています。いらなかったかも?

 入学式の前に胸にリボンをつけてもらうというエピソード。花物語には登場しません。女学校の1年生と言ったら今の中学1年生、お姉様の五年生は今で高校2年生。中学の入学式でリボン、つけてもおかしくないかな。

 ついでに、服装の描写をいれられなかったのは話の流れのせいもありますけれど、服装がよくわからないのです。ハイカラさんが通るだと思えばよいのでしょうけれど。

なんとなく春子姉様の髪型を描写しました。これがあとで効いてきました、わたくしナイス。

 

 2話目で秋田先生が登場。生徒に人気がない。かわいそうな先生です。標本を見せれば興味をもってもらえるかなと思っているのですけれど、まったくの逆効果。

 すぐにお姉様と公園にゆくシーンになります。秋田先生の話になります。伏線ですな。先生のサポートのつもりで、桜子をリボンで釣って授業をしっかりうけるのですよと。

 このリボンによって桜子と春子姉様の共通点が生まれます。入学式での描写が効いています。

 自主企画の規定ではふたりが似ていることにしないといけないのですけれど、それはちょっとむづかしい。秋田先生に春子姉様を思い起こさせるような共通点があればよいことに規定を拡大解釈しました。勝手ですね。

 

 3話目。お姉様が帰ったあと秋田先生が通りがかります。池はなんとなく置いてみたのですけれど、うまくいきました。おたまじゃくしはいるし、亀はいるし。これまた、わたくしナイス。

 お家へ帰ってお母様がいます。自然な流れだと思って書きました。お姉様の不器用さ、桜子の崇拝度みたいなものがあらわせていますかね。

 日記を登場させたのですけれど、あとで一大抒情詩を書かせるくらいで、イマイチ活用できていません。最後あたりでもう一度登場してもよさそうですけれど。使い道がない。残念です。

 

 4話目。夏休みにはいります。お姉様と会えなくなってしまいます。

 お見送りシーン。俥といったら人力車ですな。花物語でも、登場します。日傘も登場しまして、人力車に乗るときも差していたっぽいからマネしました。ステップに足をかけるシーンがありますけれど、人力車ってどうやって乗り込むのでしょう、浅草と川越でしたか、見たことはあるのですけれど、乗ったことがなくて適当なことを書いてしまいました。

 桜子はお姉様の胸に抱かれます。たぶん、これがはじめてですね。それだけ、ふたりにとって大きなことなのでしょう、夏休みで離ればなれになるというのは。

 お姉様に会えなくてつまらない日を送っている桜子、パーティーにでないといけなくて、泣きっ面にハチでした。

 

 5話目。夏休み明けて春子姉様と再会。幸せのはずが、そうでもない。夏休みの間になにがあったの? という状況です。

 ここでやっと自主企画の規定を進めます。公園で秋田先生にお悩み相談。秋田先生は桜子の悩みを聞こうとしているのですけれど、桜子は春子姉様のことを話していて噛みあいません。

 話していたら泣きそうになって逃げてしまいまいした。

 

 6話目。冬休み前。お姉様がお別れを知らせます。ここと、つぎの7話が、小説的には山場ですな。

 

 7話目。過酷な運命に、ふたり姉と妹として慰めあいます。花物語ではもっと幼い子しか、このように感情をあらわにして抱きついたりしません。気持ちを押し殺して忍ぶのですね。いまの小説なのだし盛り上げてしまえということで、抱き合わせました。

 学校を休ませておいて秋田先生と公園で二度目のお悩み相談、はじまります。

 

 8話目。秋田先生の頭では推理が展開しています。外から見ると空を見つめてボケっとしているようにしか見えません。推理のあとには、自分はどうすべきか、決心をかためなければいけませんからね、大変なひとときです。

 自主企画の規定、前回言えなかったセリフをいうときです。「私に任せてください。きっとどうにかして見せます。」ですかね。この規定、わたくし向きではありませんから、毎回ごまかしみたいなクリアの仕方になります。

 若くて頼りない先生、生徒の相談に自分に任せろと言えたのは初めてかもしれません。言い訳くさい?

 で、そのあとの展開は桜子に明かされないまま、春子姉様が卒様式に出られることになりました。解決編はすぐあと!

 

 9話目。手紙形式にしました。タイトルの回収で、桜子のことを葉桜の君と胸の内では呼んでいたと告白。中学1年生、美しい子もいますかね、春子姉様には天使的な美しい少女に見えたのでしょう。ちょっと崇拝の気持ちもはいっていたのですね。無理があります? どんまい。この手紙が葉桜の君へあてて書かれている、うんタイトル回収完璧。

 自主企画の規定、数年後に葉桜を見上げて桜子を思う秋田先生ですけれど。数年経たずに見上げています。春子姉様と秋田先生が一緒に。きっと数年後にも見上げるでしょう。イイカゲン。

 解決編は秋田先生が暗躍したことにしました。女学校に男性教諭がいたかなと調べたら、師範学校出のエリートが教諭になったとの情報でしたから、利用しました。企業経営者は学歴低かった頃でしょう、エリートが銀行のお偉いさんを連れてやってきたら話くらい聞かないといけないと思いそうですよね。経営難で困っているわけですし。

 これはあとから追加しましたけれど、お父さまの事業分野です。秋田先生を理科の教師、生物好きとしましたから、あわせて魚の養殖業にしました。経営者ですから、お父さまが海の男で、頭にねじり鉢巻き、ゴムエプロンでなにか作業をするということはありませんけれど。

 婿養子になったのでしょうね、融資も受けられて、問題は解決。そんなうまい話しはないやろうという展開になりました。ちゃんちゃん。

 

 メモも載せておきます。

 桜子のお姉様、春子。
女学校で出会った。
卒業してしまう。
学校がつまらなくなる。
秋田先生と出会う。理科の先生。
春子姉様の話しをする。なにかヒントになってお姉様が先生に誤解させたことが解ける。
秋田先生は春子姉様を追って学校をやめてしまう。
手紙がきて、ふたりは幸せ。婿養子になったとか。

 

 

  だいたい完成品と同じですけれど、事件と解決が前倒しになりました。もとは卒業後に問題解決に動き出す予定だったのですね。完成品のほうがよくなったと思います。

 つぎは、花物語を勉強して書きはじめる前にちょいと書いておいた、本文に利用できるかなというメモ書き。

 春の楽しみのひとつ、桜の花。わたくしには派手派手しく感じられてしまいますの。わたくしたちの園にも桜の木がありますけれど、あまり立派に咲きますからやっぱりわたくしは好きになれません。ひっそりと咲く花が好もしいのです。

 女学校にはいりましたころ、わたくしはまだ幼くてなにもしらない子供でした。

あら、わたし桜川春子っていうのよ。おもしろいわね。名前がひっくり返ったみたいなわたしたちが一緒になるなんて。

※公園に山桜とか。花と葉が一緒。
 お姉様は、あなたは葉ね、わたしは花。と言った。納得。
 でも、先に散ってしまうという意味だった。

※なにか小物を登場させたい。
 お姉様から桜子へ。

※最後は元カノと結ばれた秋田から手紙。元カノの方からか。

※公園のソメイヨシノは葉桜、ヤマザクラは満開
※地方の小学校高等科を卒業して東京の女学校三学年へ。高等科に進まず女学校一年という手もある。

※仄か
※あえか

 

 しらべたこととか、覚書とかもあります。

 そういえば、公園に桜登場しなかったけれど。公園に桜があるとは自主企画の規定に書いてないみたいですから、オッケーでしょう。

 最後の仄かとあえかは、花物語で多用されていまして、どこか重要なシーンで使おうと思ってメモっておきました。あえかは、カフェのあとふたり抱き合ったところで、ほんのり体温が伝わるというところで使いました。仄かは使えなかったのですよね。あとで記述を追加するかもしれません。

 

 《花物語バージョン》は九乃らしからず、文章は花物語に寄せ、心情の表現も花物語風に入れてみたり、アホ展開は封印し、という小説にしました。そんな意表をつくのも九乃らしいといえるかもしれませんけれど。