ぶっ殺してやるはどこへゆく

あまり寝た気がしない。

まだ夜中。

かゆい。

手の甲がかゆいのだ。

かゆみと、離れた腕に小さな感触。

軽くなでる。

糸くずがまるまったものがついてくる感触。

腕と手のひらの間をころがっている。

指の先までころがしてつまむ。

つぶれた感触につづいて、ぬめっとした。

これは、血だ。

暗くて見えないけれどまちがいない。

眠気が冷めてしまった。

指を動かさないようにして起き上がり照明をつける。

親指と人差し指が血まみれ。

こんなに吸いやがって。

糸くずになった蚊の死骸。

ぶっ殺してやる

をどこにぶつけたらいいのだろう。

すでに死んでいる。

間抜けな蚊。

ティッシュでは、血が拭き残ってしまう。

かばった血は洗面所で

するりと簡単に流れてしまった。

ぬめっとしていたのに拍子抜けだ。

手の甲でかゆみは流れずに残った。

ぶっ殺してやるとともに。

 

小説風?に書いてみましたが、昨夜本当にあった事件です。

実は今年二度目の蚊に刺されでした。

蚊って嫌ですね、ずうずうしくて。