レターパックがいいらしい(注:郵便局のまわしものではない)

なんやかや、いろいろありまして、

いや、嘘です。

ただプリンタが言うことを聞かず印刷できなかったのです。

本日、印刷も終わり、郵送の手続きまで済ませました。

そうです、「副署長は治療お断り」を賞に応募する手続きまで完了したのです。

お疲れさまでした。

 

レターパックというものがあるのですね。

封筒に入れて、封筒も厚い原稿が入れられるようにマチ付きのものを購入し、普通郵便で送るより、レターパックというのを郵便局で購入してそのまま原稿をいれて送った方が安いと知りました。

郵送代だけより安いのですから、封筒まで購入するのはバカげています。

ネットで応募できれば済む話ではありますけれど。

応募を済ませてめでたいのでお祝いかというと、なにもありません。

夕食は麻婆豆腐の予定です。

つぎの短編を考えながら、本を読んでいます。

 

ひとつめのブログ連載の短編小説が書き終わりました

文字数18000、今日も6000文字書きました。

ひとつめの短編が書き終わりました。

いやー、わたしもなかなかやりますね。

20000文字かからずに短編を書けるなんて。

つぎの短編はどうしましょう。

もっと短い小説を狙ってもいいかもしれません。

でも、あまり考えてないから、どうでしょうねえ。

 

「いちごショート」は、ライトでポップななんちゃってミステリのつもりで書きはじめたのですけれど、書き終わってみれば、あまりライトでポップになっていないかもしれません。

もうすこしキャラクタをデフォルメしたり、こまかいところをザックリ飛ばしてしまったりしたほうが目標に近づけたかもしれません。

なんちゃってミステリですから、謎解きがありません。

作者の考えるトリックのための道具だてはあからさまに提示しているので、読んだ人もわかると、思っています。

短編の連載は、一週間にひとつのつもりでいますので、つぎは来週連載再開するでしょう。

その間につぎの短編を考えます。

 

短編小説の目次ページをつくりましたので、リンクしておきます。

「いちごショート、倒れる」目次へ

 

 

(ブログ連載小説)いちごショート、倒れる #12 最終回

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12.記録更新、すごいものです
「ほんとうに現場百遍なんですね」
「そうだね、毎日繰り返されることとか、定期的に繰り返されることとか、とにかくそういうことを狙うっていう意味もあるんです」
「なるほど。繰り返すほどに意識から消えてしまうこともありそうですけれど」
「そうですね、新鮮な気持ちをもちつづけるのはむづかしいことかもしれない」
 メイドの女の子はランドセルをおろす。三つ編みにした髪をほどいて、大蔵の向かいの席にすわる。目を見張るほど、被害者の女の子の姿にそっくりだ。とくに、アルバムの写真に写っていた被害者の姿に。
「あの、きみすっごく。いや、失礼なことかもしれないけれど、被害者の子に似ています」
「はじめてそんなこと言われました。メイド服じゃないし、髪もほどいたからですね。わたしたち従姉妹なのですわ?」
「そうだったんですか。知らなかった」
「お母さん同士が姉妹なのです」
「それでよく似てるのか。従姉妹がそんなに似てるっていうのも珍しいかもしれないけど。そっくりな姉妹がいたり、全然似てない姉妹がいたり、よくわかりませんね、似てる似てないって」
「今日お迎えがきて、施設に移ることにしましたの」
「え?ああ、そうですか」
「おじさんとおばさんにも、そのほうがいいと思いますの」
「うーん、むづかしいところですね。でも、これと決めたことが正しいことにちがいないんです」
「はい」
 すこしはかなげに見えてしまう。いろいろ知ってしまったからだろう。彼女の微笑は以前とかわらないはずだ。
「刑事さんはなんで刑事さんになったんですの?」
「子供のころからの夢だったんです」
「夢が叶っちゃってつまらなくありません?」
「楽しい。犯人を捜すのが仕事ですからね。犯人を追いかけたくて刑事になりたいと思ったんです。それに、人間の欲望は果てがないんです。夢がかなっても、もっとほかの夢ができちゃうんですよ。使いきれないくらいお金持ってる人が、悪いことしてもっとおカネを稼ごうとしたりね。そんな人を逮捕するんです。おもしろいですよ」
「かわった事件ばかり担当しているのでしょう?余計におもしろそう」
「被害者の人たちには、おもしろいなんていったら悪いけれど、捜査自体はおもしろいと言わざるを得ない。
 いまはね、犯人はお前だっていって手錠をかけるのが、夢なんです」
「それが、刑事さんの夢?」
「じつは、いままで担当した事件、ひとつも解決できてないんです」
「そうなのですか?」
「そうなんです。正に、疑いようもなく。担当事件未解決記録絶賛更新中です」
「そんな記録が」
「継続捜査っていうんですけど。事件のはじめほどは力をいれずにというか、やれることがなくなるから自然にそうならざるを得ないんですけど、ほそぼそと捜査することになります。よくいうお蔵入りとか、お宮入りとか、迷宮入りというものですね。名前が大蔵なのが悪いのかもしれないと思いはじめてるんですけどね」
「じゃあ、結婚して奥さんの姓を名乗ったらいいじゃないですか」
「それがですね、奥さんの旧姓が宮入で、どっちもどっちなものだから、まあ大蔵をとったんですけど」
「結婚されてるのですか」
 その言葉は、よく結婚できたなという響きをもっていて、ガンガン響き渡って、部屋のガラスを揺らしそうだ。
「はい、まあ幸運にも」
「では、この事件を解決して夢を叶えてください。不名誉な記録もストップです」
「なにかヒントでも?」
「自力で解決しないでどうするのです。そうだ、わたしも刑事を夢にしようかしら、それとも」
「お待たせしましたー」
 相坊がおぼつかない足取りでお盆を抱えるようにして部屋へはいってくる。
「おやつを用意しました。食べましょう」
「わあ、ありがとうございます。おやつのなかでいちごショートが一番好きなんですの」
「事件の日は食べそこなっちゃったでしょ」
 相坊がフォークを渡し、皿をテーブルに置いた瞬間、
 いちごにフォークを刺し、パクッと口にいれた。

(おしまい)

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(ブログ連載小説)いちごショート、倒れる #11

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11.どこから弾が飛んでくるのでしょう
「相坊、どうだ。弾はどこで発射されたかわかったか?」
「それがまったく」
「なにも進展がないのに、アルバムなんか見てくつろいでたのか」
 おかげでヘンなことが気になって気持ち悪いじゃないか。
「くつろいでませんよ。写真の中に拳銃でも写りこんでないかと調べてたんです」
「とっさにうまい言い訳思いついただろ」
「たしかにわれながらうまいと思いました」
「お前ね、近所の聞き込みにいかせるぞ」
「嫌ですよ、こんな寒い日に」
「だったら、すこしは仕事しろ」
「ムチャですよ。だって、ぜんぜんわかんないんですもん」
「たしかに、おれも被害者が撃たれたというイスにすわってみたけど、家の外からは狙えない感じだった」
「そうですよ。撃たれてからすわらされたとしか思えません」
「でも、あの部屋から出てないんだろう。窓はハメ殺しだし、イスじゃなくてもどこにいても、撃てないだろ」
「あの部屋から拳銃出てないんですよ」
「それは知ってる」
 やっぱり室内から撃ったと考えるしかないのか。
「線条痕は?」
「登録されてませんよ。警察か自衛隊くらいですからね、この国で合法的に拳銃もてるのなんて」
「そうだよな」
 拳銃が出てないんだから、拳銃じゃないのかもしれないな。
「どういうことです?」
 考えを口に出していたようだ。
「ほかの道具を使って弾を撃ったということだよ」
「やっぱり、ふたりのメイドのどちらかですかね」
「うん?そうか」
「ふたりとも硝煙反応がでないから、容疑からはずれてますけど、拳銃を使っていないとなると、容疑がかかってくるじゃないですか」
「ひとりは小学生だぞ」
 とても小学生とは思えない一面もあるけれど。
「小学生だって拳銃で遊んでて、あやまって兄弟を撃ち殺しちゃったなんていうニュースがたまにあるじゃないですか」
「外国の話だろ。たぶんアメリカ」
「なにか、弾を撃てそうなどうぐなかったですかね、あの部屋に」
 今日見た中では、ビービー弾しか撃てないオモチャの銃くらいか。心臓を貫くほどの威力では、プラスチックは破壊されてしまうだろう。なんだろう、強度があるもの。もしかしたら、簡単に処分できてしまうもの。それに、火薬以外に爆発的に力を弾に伝えるものって。
「ダメだ。思いつかない」
「ほらー」
「ほらってなんだよ。一緒に考えてやってたじゃないか」
「おれには無理ってことですよ」
「そんなこと言ってると、交番勤務にもどされるぞ」
「げっ、大蔵さんに道づれにされたくありませんよ」
「人聞きのわるいこと言うな」
 気持ちはわからないではない。

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(ブログ連載小説)いちごショート、倒れる #10

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10.いちごの食べ方って、一生かわらないものです
 アルバムをさらに進むと、メイドの女の子が一緒に写るようになった。やっぱり誕生日に撮ったらしい写真があらわれた。被害者の女の子はやっぱり先にいちごを食べている。メイドの子はまだだ。
 あれ?
 つぎにケーキを前にふたりで写っている写真では、メイドの子のいちごがなくて、被害者の子のいちごが残っている。被害者の子にとられてしまったのか?あんたメイドなんだから、いちごわたしによこしなさい、みたいなことか?
 さらにつぎになると、また被害者の子のいちごがなくて、メイドの子のいちごは残っている。あとにはもうケーキを前にしてふたりで写っている写真はなかった。
 いちごの食べ方のポリシーが変更になるなんてこともあるのだろうか。やっぱりメイドの子はいちごを取られてしまっただけだろうか。
 考えてもわからない。サクラさんに聞いてもわかるはずがない。きっとまた気を悪くしてしまうだろう。黙っていよう。
 そうだ。仕事仕事。
 大蔵はアルバムを相坊にかえして作業にもどる。
 現場の写真。
 好き好んで見たいという人もいないかもしれないけれど、気が重い。なんでこう、生々しい感じで撮影するのだろう。もうちょっと、雰囲気よさそうにとってもいいのではないかと思う。ちょっと、カメラやレンズをかえてみたらいいんじゃないか。
 ああ、押収したというケーキが撮ってある。いちごショートまでホラー映画のワンシーンのようにおどろおどろしい印象だ。とてもおいしそうとは思わない。いや、これを食べるはずだった女の子が殺されたのだから、おどろおどろしいのだけれど。もうちょっとファンシーな感じに取れそうなものだろうか。
 ケーキは、押収してどうしたんだろう。なにか調べたのかな。ま、いいか。ケーキの話をしていたから、つい気になってしまっただけだ。
 ふたつのケーキのうちひとつ、倒れているほうはいちごがない。倒れていちごがころがってしまったのかもしれない。これは気持ち悪い。解決しないことには気持ち悪くて、落ち着かない。
 現場写真を全部調べた。でも、いちごがない。
 なるほど、ということは。
 今度は司法解剖の所見を見る。女の子の胃の内容物は、いちごが、ない。
 どういうことだ。
 まさか。
「サクラさん、ダメですよ。現場にあったいちご食べちゃったでしょう」
「食うか、ボケ。生クリームだけじゃなくて、いちごも嫌いなんだ」
「失礼しました。でも、いちごどこいったんですかね」
「知るか、ボケ」
 ボケって、二度も。ひどい。
「じゃあ、どうしたっていうんですか、いちご」
「被害者が食ったんだろ?」
「そうなんですよね、被害者の女の子、先にいちご食べる派だったみたいなんです。でも、胃の内容物にいちごないんです」
「じゃあ、食わなかったんだろ」
「ということは、メイドの子が食べちゃったんですかね。でも、いや、まあ、そうか。そうかな」
「納得したか」
「はあ、まあ」

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(ブログ連載小説)いちごショート、倒れる #9

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9.現場にばかり入り浸っているわけでもありません
 デスクでパソコンに向かって報告書を頭から絞り出しているとなりで、相坊が暇そうになにか本を眺めている。メロンパンでも買いに行かせてやろうか。
「なにを見てるんだ?」
「アルバムです。被害者の両親から借りてきたんです」
「どれどれ」
 相坊のほうに身を乗りだしてアルバムをのぞき込む。ベビーベッドに横になって眠っている写真やら、大泣きに泣いているらしい写真やら、赤ちゃん時代の写真だ。
 ページをめくってゆく。手が止まる。
「ああ、おれはこのくらいが一番いいな」
 よちよち歩きをはじめたころの写真だ。手を前に出して、つかまるものを探すようにして歩いている。立った状態でぬいぐるみのクマを両手でこちらに見せている写真。頬がゆるんでしまう。
「このあとは、しゃべりだして、わがままいうようになって、手がつけられなくなるんだ。あっという間に反抗的な態度をとるようになる」
「大蔵さんの人間観って救いようがないですね。みんながみんな大蔵さんみたいじゃないんですよ」
「いいや、みんながみんな同じ運命をたどるんだ」
「はあ」
 何をいっても無駄という顔になっている。表情にださずにはいられないのだろうか。
 ページを繰ってゆくと、誕生日なのだろういちごののったケーキだったらしいケーキと一緒に写っている。いちごののったケーキだったらしいというのは、いちごのあとが生クリームに丸く残っているということだ。先に食べてしまったのだろう。
 ひとそれぞれケーキの食べ方もいろいろだ。大蔵はとがったほうから食べはじめ、いちごに到達したところでフォークでぶっ刺すという食べ方だ。きっと最もオーソドックスな食べ方だろう。あれ?妻はどういう食べ方だったかなとエスキューエル文を入力しそうになったけれど、一緒にいちごショートを食べたことがなかったと気づいた。いちごショートなんていう素朴なケーキより、もっとオシャレな季節限定とかのケーキを、大蔵の妻は選択するのだ。
「あまり聞きたくもないけど、サクラさんはいちごショートのいちごをどのタイミングで食べますか」
 背を伸ばして、ディスプレイ越しに顔を出し、向かいの席のサクラさんに振ってみた。
「食べない」
「は?いちご残しちゃうんですか?」
「生クリームが嫌いだから、いちごショートを食べない」
 全否定だった。聞く相手が悪かった。しかも、なんだか気分を害してらっしゃるようだし。失敗だった。
「あ、おれはですね」
「相坊には聞いてない」
 相坊をやりこめてやって、すこし元気を取り戻せた。

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(ブログ連載小説)いちごショート、倒れる #8

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8.その箱はスリーディー・プリンタ
 実ははじめて現場の部屋にはいったとき、一番に目についたのがこれだった。なにか建築現場のスケルトン模型みたいな、得体のしれない箱だ。被害者が使っていた机は、通常の学習机をふたつ並べたサイズだった。勉強のためにノートや教科書を広げるスペース、コンピュータを操作するスペース、それに、この建築現場模型。
「これは?」
「スリーディー・プリンタですね」
「なんですか、それ」
「知りません?パソコン上で形を作ると、その通りに実際のものを出力してくれるんです」
ドラえもんの道具?」
「子供のおもちゃじゃありません。データはネットでいろいろ公開されているのをダウンロードしてもいいし、ダウンロードしたものに手を加えてもいいし、一から作ってもいいんです」
「ふ、ふーん。それで、どんなものを作ったの?」
「これとか?」
 手のひらにのせて見せてくれたのは、頭蓋骨の化石だった。プラスチックでできているらしい。着色されて、かなりリアルだ。
「こんなの作ってどうするの」
「勉強ですわ?ヒトの進化の様子を学べます。博物館で公開しているデータを出力したものです」
「そうですか」
「あとは氷の型とか」
「ああ、型ね」
「膨張するからむづかしいんですの」
「ああ、なるほど、そうですね」
 さっきから小学生に教えられることばかりだ。かわりすぎた事件だから仕方ないのかもしれない。
「やっぱり、被害者の女の子と一緒にそういうことしてたんですか?」
「ええ、同級生だから、一緒に宿題をやったり、パソコンをいぢったりしていましたわ?」
 やっぱり、メイドといっても遊び相手という位置づけなのだろう。
「ねえ、まさか、拳銃のデータなんて公開されてないんでしょう?」
「ありますわ?でも、プラスチックで作っても面白くありません。実弾が撃てるわけじゃありませんもの。ですから、こうです」
 大蔵は両手をあげる。拳銃を突きつけられているのだ。ポシュッと音がして、スーツの胸のところに弾があたる。跳ね返って、床の絨毯に転がる。
「人に向かって撃っちゃダメじゃないですか」
「こんなおもちゃでも?」
「おもちゃでも」
 むっと怒った顔をして床から弾を拾う。ビービー弾だ。
「ビービー弾が撃てるように修正したデータを公開してくれている人もいるのです」
「なるほど」
 弾を差し出して、メイドの女の子の手のひらにのせてやる。
 プラスチックしか出力できないなら、実弾を撃てるなんてことはないだろう。銃の方が爆発して危険だ。それに、一応拳銃の捜索はしたのだし、メイド服から硝煙反応はでなかったのだ。学校から帰って子供部屋へはいってから、ほとんどの時間は内側から鍵がかけられていて、密室だった。中で人が殺されたとなれば、一緒に中にいた人間が疑われるのは仕方のないことだろう。

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