短編「青くもない地球の恋愛論(はまだない)」をカクヨムに投稿しました

 現代アートや現代音楽みたいに現代小説を目指す試み、第3弾としてモノローグだけの小説を考えました。いえ、考え中です。

 というのも、頭の中で考え事をしているだけというのは、むづかしくてどういう状況の小説にしたらいいか、よいアイデアが浮かばないのです。

 妥協して、意識の流れというテクニックらしきものだけを使って書くことにしました。つまり、見たもの、聞いたもの、それからモノローグです。すべて意識の中のことですから、『』でくくってあります。二つに分かれていますけれど、意識が途切れているからです。マニキュアを塗っているところを書いても面白くないでしょう。

 言語を使って考えているところは「」でくくっています。聞こえてきた言葉を意識したところも「」です。エスカレーターの警告放送みたいなものとか、看板の文字を読んだところとかです。

 重要ではありませんけれど、未来の設定になっています。真っ黒い空に太陽が照っています。大気がかなりの部分失われて青空ではないのです。タイトルも「青くもない」と、この設定を使っています。

 宇宙から見たら、海は青いでしょうけれど。陸地は青くない。大気があると陸地も青っぽく見えるわけです。空の色は散乱で宇宙にも放射されていますからね。青い地球。

 そのわりには、お店の中が未来感ゼロですけれど。てへへ。

 メモを作ったのでした。

桜が散る仕組み。
まだ満開なのに散る、気の早い花びら。
風、流体力学。方程式。
地面に落ちた花びら。
黒いパンプス、近くを通り、風に巻かれる。(ここまでキャラなし)
(ここからモノローグ)
昼間一緒に外に出た。なにか営業的な?
桜の木を見上げる。
空は青い。大気のせいだというけれど、大気がなかったらどういう色?
大気がほとんど失われたことにするか。SF?服装はどうなるだろ。手袋してるとか。
そこに桜はどんな感じ?
肌寒かった。早くいきましょう。
デパート?
マニキュア、桜、新色。試し塗り。 

  モノローグの前の部分はボツにしました。なくても小説になるかなと思ったのです。モノローグだけの小説を目指していますからね、余計なものは入れない方がよい。ちなみにボツにしたのは、こんな風に書いてありました。

 満開に、なろうという桜木のひとつの枝、ひとつの花。
 四片の花びらに別れを告げ、離層で切り離す。そよそよと流体力学。ナビエ–ストークス方程式に乗って。
 流れ流され、落ち落とさる。くるくる回り、すぅーっと滑る。
 ここではないどこか。知る人のない場所。遠くへ。
 レンガブロックの地面に着陸。
 行き交う巨人たちを見上げる。
 黒いパンプス。地面を踏んで、風を巻いて。離れて憑いて。 

  キャラが登場しない小説みたいな雰囲気でしょうか。すでにやっていますから、いりませんね。「桜花一片に願いを」のふたつの小説をつなぐようなイメージにもできますけれど、どうでしょうね。そんなことしなくていいかな。「― エレベーターが三階をすぎるトキ ―」にはつながる感じですけれど。読んでくれた人におまけみたいな。

 

 モノローグだけの小説。そのうちアイデアが浮かぶとよいのですけれど。