一田和樹さんの自主企画「ショートストーリーを書こう(5000文字以内)」への投稿がすべておわりました。本日最終日ですからね。いま16時。もう投稿しません。
あ、さんづけになりました。小説家をさんづけするのは、どうかと思うのですけれど。漱石さんとか、鴎外さんとかいいませんね。知り合いかと思われます。そんなわけありませんけれど。
ツイキャスで音声対メッセージのやりとりを一対一でやりましたから、もう知り合いも同然です。ちがうか。
九乃カナを解剖する
おすすめレビューを投稿小説すべてにつけてくださいました。ありがたい。そこで、レビューから九乃カナを解剖したら、九乃のためになるだろうと思いまして。おつきあいいただきたい。
おすすめレビュー
まずはレビューを全部見ましょう。引用はどうかと思いますから、リンクで。
・一田和樹「インコと「オレ」の奇妙な出会いと人生の航路変更について」(インコの冬) - カクヨム
・一田和樹「銃撃事件!? 外傷もなく倒れている少女。しかしその真相は」(死活監視) - カクヨム
・一田和樹「何段にも重なるオチ、どんでん返し。カメラを止めるな!を彷彿します」(「殺し屋、キャリアチェンジ」) - カクヨム
・一田和樹「現実と妄想が交錯する『虚無への供物』風ミステリコメディ?」(「なんでもない殺人事件」) - カクヨム
・一田和樹「渋いおっさんとコナン風の少年との生活。理想の日常に起きたささやかな事件」(なにもしていないのに、PC壊れた(バージョン・ハンバーグ)) - カクヨム
・一田和樹「PCはサバ缶アイスの夢を見るか?」(なにもしていないのに、PC壊れた(バージョン・アイス)) - カクヨム
・一田和樹「昏い悪夢のような情景が積み重ねられて淫靡な物語になる」(處女作) - カクヨム
・一田和樹「繰り返す悪夢が紡ぐ殺人事件の真相。妄想と現実の境界描く筆致に酔う。」(頭痛) - カクヨム
・一田和樹「畳みかける奇妙なイメージの奔流」(4コマ「インコの冬」) - カクヨム
・一田和樹「エッセイというより、やはり現実と幻の境目を彷徨う物語」(神殺し) - カクヨム
・一田和樹「現実と虚構の迷宮サーガ。今回は登山編。」(「リ・チェンジ」-死活監視2) - カクヨム
抽出
レビューから、小説の評価にあたりそうなところを抜き出してゆきます。小説ごとに。要約してしまいます。
インコの冬
- テンポ良い
- からみつくような描写
- オチの意外性
- インコ(キャラと思ってよい?)の口調に味
- ヒロインの描写が薄い
死活監視
- オチへの期待を高める演出
- 納得のオチ
- なにを強調するかの判断が甘い
「殺し屋、キャリアチェンジ」
- たたみかけるオチ
- 現実と小説のからみ
「なんでもない殺人事件」
- 事件を日常にする不条理
- 現実と小説、妄想、映画撮影との多重性
なにもしていないのに、PC壊れた(ハンバーグ・バージョン)
- 家族(?)関係の描写
なにもしていないのに、PC壊れた(アイス・バージョン)
- ギャグ的な仮想アイテム
- 楽しいエピソード
處女作
- イメージの連鎖
- 多様な読み方を許す
頭痛
- 重なる悪夢
4コマ「インコの冬」、神殺しはショートストーリーの小説のつもりではなく書きましたから、スルーします。
「リ・チェンジ」―死活監視2
- 入り組んだ現実と虚構
精製
インコの冬では、技術部分の評価が多く、後にゆくと、なにを書いたかの評価になっているように思います。
- テンポ
- 描写
- キャラ(+-)
- 演出
- メリハリ、あるいは起伏?(-)
- オチのつけ方
こんなところでしょうか、技術的なところは。(+-)はよいと悪いと両方の評価があった。(-)は悪いと評価。
なにを書いたかというのは、小説によって書くべきことがかわる部分が大きい。連作短編と位置づけをしたため、現実と虚構を対比させるような、重ねるような、夢オチのようなことを書くことになりました。叙述トリック的でわたくしの好みではイマイチな進み方でした。書くことが決まりますから、楽に書くのに貢献してくれたと評価できます。
悪夢とか、イメージという部分は描写が貢献している部分もあるでしょう。
自己評価
わたくしは小説をあまり読みません。自分の小説を面白いと思いません。そりゃそうです。自分から出てきたものが面白かったら、みんな自分で書きますね。書くまでもなく想像するだけでもよさそうです。手間がかかりますからね、書くのは。そうなると、お金を出して本を買ったりしませんね。他人が書くから面白いのです。自分とはちがうから。
面白いつまらないではなく、他人とちがうかなと薄々感じている部分ならあります。
- 文章がヘン
- 展開もヘン
- くだらないネタが多い
くだらないネタはショートストーリーだからという部分もあります。
二日に一個くらい書きましたから、あまり考えている場合ではないということもあります。ネタがどんどん出てきて、書かないといけないのですから、凝ったことはやろうと思いません。つまらなくていいから書く。そうなりますよね。
比較
一田和樹さんの評価と自己評価をくらべます。テンポがよいということは、文章がヘンでも、リーダビリティは悪くなさそうと評価できます。描写は文章がヘンであることが役に立っているかもしれません。最低でも、文章がジャマはしていない。
キャラはよくわかりませんけれど、(-)の部分は、意図しないでマイナスになってしまったわけではありませんから、小説によると考えます。ということは、会話はアドバンテージかもしれません。
演出については、展開がヘンとからみそうです。展開がヘンでも、演出としてヘンでなければオッケーと考えます。演出という点を気にしながらヘンな展開を心がければよさそうかと評価します。
メリハリ、起伏は、むづかしいところです。小説によるところもありますし、アイデアにもよるでしょう。メリハリを出せるアイデアが思いつくかもしれないし、スムーズに進むアイデアが思いつくかもしれませんね。ヘンな展開とも関わりそうです。メリハリがあった方が面白い小説になりそうですけれど。アイデア次第、運を天にまかせましょうか。一田和樹さんからは、よいところを伸ばせというアドバイスをいただいたことですし。
オチ。これはメリハリに関係しそうです。メリハリが効いていれば、オチの効果も高まりそうですね。くどくならないようにもしたいところです。小説がもとめるオチでなければなりません。
比較から導き出されること。文章と展開がヘンなのは共通した評価のようです。文章、展開の視点から、演出、メリハリというところまで、わたくしの評価の目が届いていないといえそうです。すこし抽象度が高くなっていますね。オチについては、誰でも気にするから、わたくしの方では特に評価していないといえます。くだらないネタであれば、オチをつけやすいのかもしれません。
結論
文章や描写が持ち味であり、持ち味をいかせるタイプの小説を書く。すこし目線を高くして、演出を効かせメリハリをつけ、オチの効果を高める。
わたくしの取り組むべき課題が明らかとなりました?
もっとも高評価をうけた處女作は演出過剰なくらいに効いていますし、ねっちょりべっちょり描写しています。オチは特にありませんけれど。あんな感じなのでしょうか、持ち味をいかせるタイプの小説というのは。コメディタッチに流れがちですけれど、自然に書くと。
次回作は恋愛ものです。コメディタッチです。そのあとは、ねっちょりべっちょり書けるコメディを開発します。どないやねーん。ひどいオチ。